忘れたいという思いが強いと、記憶は、その消したい記憶を、遠くへ追いやってくれる。
だから、心は少し軽くなることができる。
最近、撮影のワンショットめに、あることに気がつく。
すべてを忘れているのだ。撮影に関するする記憶が、かなり削り取られている。
今日は、その理由を考えていると、あることに思い当たった。
最近遠ざけたい記憶があった。その記憶が遠のいていってくれたのはいいのだが、海馬は、その記憶を消すときに、その部分だけでなく、その周りの記憶も一緒に消してしまっているのではないだろうか。
その消したい記憶だけというのは、以外に、一部分ではないのかもしれない。
その一個を消すためには、10くらいの、関連した脳細胞を死滅させるしか手段がないのかもしれない。
心をとるのか、記憶を選ぶか。海馬は考えたんだろうきっと。
そして、海馬が選んだのは、心だった。
記憶なんか消したって生きていけるからと。
そう思うと、消したい記憶が一杯増えると、だんだん痴呆も広がっていくのだろうか。
母を見ていて、そうかもしれないと思ったり。
消したい記憶を、私たち子供は沢山、あじあわせてしまったのかもしれないね。
今、30年前に帰れるならば、元気だったあなたにもっと親孝行をしてあげたいと思うよ。
消したい記憶を作らないような生き方をしていかないといけないのだね。
いろいろ勉強になる今日この頃です。