日曜日の中央線は、意外と空いていて、ポカポカとした陽射しが眠りを誘う。
初めて降り立つ駅。
重い機材を抱えてきたが、キャリーにすればよかったと、電車に乗って思う。
小さなその駅は三鷹の隣の駅で乗り換えて1個目の駅。
白い電車がホームに入ってくる。ここが始発になり、多摩川まで走っている。
あまりにも気持ちが良いので、仕事が終わったら久しぶりに多摩川にいってみようか。
駅前に、おむすびやさんがあった。ふきのとう味噌と表示がある。
さて、仕事に向かう。30分であっさり終わってしまった。
機材を抱えて駅前に着く。お昼は、あのおにぎりにしようか。
ドアを開けると、先客が待っていた。長いのれんの向こうに、若い夫婦が二人で向かい合っておむすびを握っていた。
季節のものが入っているおむすび。注文を受けてから、握る。握る間待つ。そんな時間がここちいい。
初めての街、初めて入ったお店で交わす、温かい言葉たち。
後ろ髪引かれながら、小さな駅のホームに入る。
風に木々の匂いがする。深呼吸して、またこれたらいいな。