奄美にいる頃に、碇山奈奈さんというフラメンカの人が、凱旋公演をした。
私は、ちょうど新聞社にいて、取材に伺った。
子供たちのために、夜の公演の前に、無料で公演をしてくれたのだった。
インタビューは、してみたが、公演前ということもあったのだろうが、軽くあしらわれてしまった。
それでも、フラメンコがみられるので、私は嬉しくて客席に座った。
ステージが始まった。息も出来ないくらいのフラメンコという未知のステージに見入った。
すばらしかった。
ただただ、すばらしかった。
その時の記事は、四段抜きで扱われた。
綺麗だった。
碇山さんが、フラメンコになぜ夢中になったのか、そんな話を聞いてみたかった。聞いたのかな?よくは憶えていない。
島の子供たちに何か言葉をもらいたかった。なにかもらったかな?そのことも憶えていないが、フラメンコというものに、出会ったということだけは、忘れなかった。
東京にもう一度戻り、小さな新聞社で仕事を始めた。
偶然に、フラメンコ雑誌の編集をやっているという人と知り合い、フリーのカメラマンになって、仕事が入るようになった。
そこでは、スタジオの広告で碇山さんの名前をみることはあっても、取材に行くとか、そういう偶然は起きなかった。
会えないのかな、そう思っていた。
昨年から、フラメンコを始めた。ちょっとしたきっかけだった。フラメンコを習い始め、再び碇山さんのことを思い出した。
まだ、東京にいらっしゃるのだろうか。
そう思っていたら、なんと、今教えてもらっている先生が、碇山さんのお弟子さんだった、、、。
こんな偶然ってあるのだろうか。だから、私は、先生の踊りに惹かれたのだろうか。
そして、またいつか、碇山さんに会えるのだろうか。
あの日憧れたあの人に。
なんか不思議な巡り合わせ。