「いきゅんなかな」
前回、自分なりに譜面を書いて、改めて弾いてみると、とても分かりづらい。
どういう風に、自分の先生は書いていたっけ?しまってあった、師匠の譜面を開く。
あっ、そうか~。
とてもわかりやすく、それにとても綺麗。
もっと、丁寧に綺麗に書こう。
これって、歌に対する姿勢でもあるなぁと思った。
自分にとって欠けているものが見えてくる。
なめたらいけません、謙虚な気持ち、大切に思う気持ち、そんなのが少し抜けていたかも。
丁寧に書けば、その譜面はいつまでも残る。
そして、歌は伝わっていく。
以前、島に帰る飛行機で、偶然隣り合わせに座ることになったシマウタ界の大御所のT先生が、私が見ている譜面を見て、「それいいね。ちょっと見せて」と師匠の譜面に見入った。
参考にさせてもらうと言っていたが、今、使ってらっしゃるのだろうか。ちょうどコピーしたものがあったので、一枚あげてしまった。
師匠には、ついにそれを言えなかった。
実は、昨日の飲み会で、昔の会の仲間にあって、聞いた一言が、どうも、心にひっかっかっている。「私は帰ってこない」。師匠がそういったという。
なんか、とてもすまないことをしてしまったような気がする。
常に新しい生徒に気を回す師匠に、新しい曲が習いたくて、うずうずしてしまい、疎遠になって行ったことが度々あったが、そのときもそうだった。そして、別れの日は突然来ちゃったんだけど。
そんなことを思ったせいか、今日は、師匠の譜面が、やけに懐かしくて温かい。
もっと、もっと、師匠のシマウタを習っておきたかった。